「一緒に選ぼうか」〜お客様の体験談より〜
抗がん剤治療を始めると決まったとき、
真っ先に頭に浮かんだのは「髪の毛のこと」でした。
実際に脱毛が始まる前に、医療用ウィッグを用意した方がいい。
頭ではそう分かっていたけれど、
なかなか一歩を踏み出せずにいました。
そんなとき、隣にいた夫がふとこう言ったんです。
「もし迷ってるなら、一緒に選ぼうか?」
■ 「自分のことは自分で決めたい」と思っていたけれど
私はずっと、治療のことも外見の変化も、なるべく家族に心配をかけたくないと思っていました。
でも実は、「似合うか不安」「自分ではうまく選べないかも」という気持ちがどこかにありました。
だから、夫の言葉にちょっと甘えてみようと決めたんです。
■ ウィッグをかぶって、はじめて見た夫のやさしいまなざし
ウィッグの試着は、自宅で。
ネットで申し込んで、数日後には3種類のウィッグが届きました。
鏡の前でひとつめをかぶって、夫に振り向くと、
ほんの少しだけ目を見開いて、そして笑ってくれました。
「自然だね。いつもの君に近い。」
その言葉が、何よりうれしかったんです。
ふたつめのウィッグは少し長めで、普段より大人っぽい雰囲気。
「それもいいね、ちょっと雰囲気変わって新鮮だよ。」
夫は照れくさそうに言いながら、
私の不安をひとつずつ、ほぐしてくれました。
■ 「見た目のこと」だけじゃなかった
一緒にウィッグを選ぶ時間は、
ただ“髪型”を決めるだけの時間ではありませんでした。
それはきっと、
「これからも一緒に乗り越えていく」という、
小さな確認作業だったのかもしれません。
■ 今、ふと鏡を見て思うこと
選んだウィッグをつけて、ふと鏡を見るたびに、
「これは私が選んだ」という気持ちと、
「一緒に選んだんだ」という、あたたかさが重なって思い出されます。
治療はまだ続いているけれど、
見た目の変化に飲み込まれそうになったとき、
このウィッグが“気持ちの支え”になってくれている気がします。
※お客様からのお電話でのご意見ご感想より、一部抜粋、加筆させていただきました
今回は、ご夫婦で来店されたお客様にお話を伺いました。
身近な人の意見があると、安心される方も多く、
実際、店舗にご家族とご来店される方も多数いらっしゃいます。
医療用ウィッグ・かつらについてご不明な点があれば、医療用ウィッグアンベリールへお気軽にご相談ください。